2020/12/09

Windows 10 の UI フォントを設定する方法

Windows と他の OS、特に Mac OS の比較でしばしば話題になるのがフォントです。Windows のフォントが見やすいかどうかは賛否両論あるところですが、ここではこれを変更する方法を紹介します。

フォントを変更する方法

筆者の知る限り、Windows 10 の UI フォントを変更する方法は大きく分けて以下の3種類があります。
  1. Meiryo UIも大っきらい!! のようなフリーソフトを使用する
  2. レジストリを使用する
  3. Yu Gothic UI に偽装したフォントを作成する
上記のうち 1.<2.<3. の順に強力です。適用範囲はそれぞれ
  1. エクスプローラーや一部のアプリのみ
  2. UWP を除く多くのアプリ (Google Chrome や Microsoft Office には適用されない)
  3. UWP を含むほぼ全てのアプリ
となります。ここで UWP (Universal Windows Platform) とは Windows 10 で新たに導入されたもので、標準でインストールされているものとしてタスクバーや「設定」「天気」「Microsoft ストア」などのアプリがあり、それ以外に「Microsoft ストア」からインストールするタイプのアプリがこれに該当します。1.のフリーソフトを使用する方法は一番手軽ですが、適用される範囲はあまり広くなく、また使用方法は自明と考えられるため、ここでは2.と3.を紹介します。

レジストリによる方法

Windows のレジストリには
  • HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion
の下に、Windows のフォントを変更する上で有益な3つのキー(フォルダ)
  • Fonts : インストールされているフォント
  • FontSubstitutes : フォントの置換設定
  • FontLink\SystemLink : フォントの連結設定
があります。日本語版 Windows 10 の UI フォントは Yu Gothic UI なので、この登録を無効化してから、FontSubstitutes に置き換え先フォントを指定します。具体的には、Fonts キー下の
  • Yu Gothic Bold & Yu Gothic UI Semibold & Yu Gothic UI Bold (TrueType)
  • Yu Gothic Light & Yu Gothic UI Light (TrueType)
  • Yu Gothic Medium & Yu Gothic UI Regular (TrueType)
  • Yu Gothic Regular & Yu Gothic UI Semilight (TrueType)
の値を空の文字列にします。次に、FontSubstitutes キーの下に
  • Yu Gothic UI
という名前の文字列値を作成し、値を使用したいフォントの名前にします。一度サインアウトして再度サインインするか、再起動すると適用されます。

また、Fonts キー下の
  • MS Gothic & MS UI Gothic & MS PGothic (TrueType)
の値を空の文字列にすることで、MS (P, UI)ゴシックを無効化することもできます。その場合も上記と同様にこれらのフォントの置換設定を FontSubstitutes に記述しておきます。

MS UI Gothic ついては一部の欧文フォントからフォントリンク(フォントの連結)を用いて表示される場合があります。これを防ぐには
  • HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\FontLink\SystemLink
下の3つのフォント名
  • Lucida Sans Unicode
  • Microsoft Sans Serif
  • Tahoma
の複数行文字列値に含まれる「MSGOTHIC.TTC,MS UI Gothic」の部分を例えば
  • MEIRYO.TTC,Meiryo UI,128,100
  • BIZ-UDGothicR.ttc,BIZ UDGothic
などのように、使用したいフォントに変更します。末尾の「128,100」の部分は分数になっており、後ろの数字を小さくするとフォントの上下を大きくカットすることができます。
なお、Microsoft Sans Serif はフォントリンク設定されていないフォントに対するフォントリンクとしても機能しているようで、SystemLink キーにないフォントのフォントリンクを一括で設定することができます。また、上記3フォントにおいては、システムロケール(表示言語とは異なります)が日本語のとき、バックスラッシュを(円記号として表示するために)強制的にフォントリンク表示としているようです。よって、バックスラッシュをバックスラッシュとして表示させたい場合、日本語フォントの前にバックスラッシュ用の欧文フォントを指定する必要があります。

フォント偽装による方法

この方法では、事前に Yu Gothic UI と目的のフォントを FontForge で開いて、フォント名などを Yu Gothic UI から目的のフォントにコピーし、それを TTF で出力します。これを全てのウエイト (Light, Semilight, Regular, Semibold, Bold) で行う必要があります。実際に5種類のウエイトに対応している日本語フォントは少ないので、Regular をフォント名などだけ変更して Light と Semilight を作り、同様にして Bold から Semibold を作ると良いでしょう。

フォントの作成が完了したら、上記「レジストリによる方法」に記述されている方法で Yu Gothic UI を無効化してから、5種類のウエイトの偽装フォントを選択して、右クリックメニューから「すべてのユーザーに対してインストール (A)」をクリックします。